遠藤章博士顕彰碑
遠藤章博士の郷土を思う熱い心と信念、
そしてその世界的偉業を末永く後世に伝えるために。
遠藤章博士顕彰碑
遠藤章博士顕彰碑 正面
遠藤章博士顕彰碑 裏側
遠藤章博士の世界的偉業とそれを成し遂げるに至った信念を末永く後世に伝える顕彰碑の建立は、遠藤章博士顕彰会設立当初からの目標でありました。
デザインや建立場所の検討を重ね、多くの方々からの顕彰碑協力金を賜りまして、ついに令和3年４月、遠藤章博士顕彰碑が完成しました。
建立場所は博士の希望を踏まえ、博士の母校である本荘高等学校下郷分校跡地となりました。
コンセプトとデザイン
顕彰碑のコンセプトは「自然界から発見されたスタチンが世界の人々を救う」です。
台座は自然界を、本体はスタチンの発見から創薬までの博士の研究過程を表現しました。
側面中央部分は博士の研究開発過程の内なるエネルギーを表し、上部ヘッド部分は最初に発見されたコンパクチンの化学式を資料に基づいて記しています。
顕彰碑隣のモニュメントは、顕彰碑を単に見にきてもらうだけでなく、スタチンを発見した博士の気概、努力、信念などを「手形」に触れることで感じ取って頂ければと思い設置いたしました。
次世代に送るメッセージが記されたモニュメント上部は、博士の生家から見える鳥海山をイメージしています。
またモニュメント側面にはメッセージに込められた博士の思いも記載されています。
身長150cmほどのお子さんが少し見上げるくらいの大きさとなり、また基礎部分を広くし車椅子で碑の近くまでいけるようなバリアフリー設計になっていますので、是非幅広い年代の方々ご一緒にお越しください。
顕彰碑 除幕式
令和3年5月1日 遠藤章博士顕彰碑除幕式の様子
遠藤章博士の偉業を讃えて
顕彰碑除幕式は令和３年５月１日、秋田県知事代理、由利本荘市長、秋田県議会議長など来賓と関係者合わせ、コロナ禍を配慮し人数制限の７０人が出席して行われました。
午前１０時３０分に開式、主催者を代表し佐々田亨三顕彰会長があいさつ、秋田県知事代理と湊貴信市長が祝辞を述べました。
除幕は、コロナ感染症の影響で欠席をやむなくした遠藤章博士の代理で甥の遠藤正悦さん（小倉）と、東由利小・中学校の児童・生徒代表など１０人で行われました。
このあと遠藤章博士から届いたメッセージを遠藤正悦さんが代読、引き続き佐々田会長から顕彰碑完成を記念した記念品の目録が遠藤章博士に贈られました。
式典は午前１１時に終了、出席者は会場近くの東由利公民館に設けられた「遠藤章博士顕彰碑竣工記念特別企画展」に足を運び、遠藤章博士に贈られた発送前の特大の御殿まりの実物や数々の賞状、レプリカ、写真などを見学しました。
アクセス
所在地
〒015-0211 秋田県由利本荘市東由利老方字台山23
車
・由利本荘市街から国道107号線を横手方面へ約30分
・横手市街から国道107号線を本荘方面へ約40分
ローソン東由利老方店角の交差点を東由利球場方面に曲がり約2分ほどで到着します
バス
最寄バス停「道の駅 黄桜の里」
道の駅 黄桜の里より徒歩約15分（約950m）
遠藤章博士からのメッセージ
「努力は報われる」 農芸化学者 遠藤章
わたしが15歳から学んだ本荘高校分校の跡地にこの碑を立ててくださったことを、心から喜び、心から感謝しております。
この定時制高校に学んだ当時、私が農業が嫌いだから定時制に入ったんだという村の人がいました。私はそういう人に会わないように、みんなとは違う道を通って学校に通いました。親も初めは農家の息子が学校に行く必要はないと反対しましたが、私はもっと勉強がしたかったのです。何とかして学校に行きたい、もっと勉強がしたい、そう思っている私を見て小松順之助先生は秋田市立高校（今の秋田中央高校）への転校を勧めてくださいました。たまたま叔父が秋田市に家を持った時でしたので、そこに下宿させてもらって市内の高校に通うことができました。高校では、刈田文雄校長先生が、大学に行かせる余裕はないという親を、奨学金のことなどを教えて説得してくださって、東北大学農学部に進むことができました。お二人の先生がおられなかったら、今の私はありませんでした。私は、たいへん立派な教育者に恵まれた本当に幸せ者だと思っております。
農学部を選んだのも、農家の息子として、もっと進んだ農業をしたいと思ったからで、農業が嫌いだったわけでは決してありませんでした。高校に進むにも、大学に行くにも努力が必要でした。努力をしないものには誰も手を貸してくれません。スタチンの発見から創薬に至る経過もそうです。検査やテストがうまく進まず何度も挫折しそうになりました。そのつど、きっといい結果が出ると信じて努力を諦めなかった結果、なんとか薬にするまでの長い道をこぎつけられたと思っています。
みなさんも、目標を決めてそれに向かって努力を続けてください。
特に若いみなさんに言いたいです。世界を広く見渡して、その中から大きな目標を決めてください。そして、それに向かって努力を続けてください。
努力をすれば必ず報いられます。
令和3年5月1日 遠藤 章